働き方改革とダイバーシティに関する用語集

キャリア開発とは、過去から将来にわたる職務経験やこれに伴う能力開発を、中長期的に計画する考え方をいいます。経済学・経営学を背景にした言葉で、主に企業において社員のキャリアを育成する際に用いられます。
また、キャリア開発を進める具体的な仕組みを、キャリア・ディベロップメント・プログラム(CDP)を呼び、キャリア開発の目標設定や適性判断、教育・研修・人事異動・昇格まで含みます。CDPが立案・実施される際に、キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーと呼ばれる専門職が関わることもあります。
企業は、優秀な人材の確保・定着、能力発揮、組織の活性化などを目的に社員のキャリア開発を支援しています。また、個人にとっては、環境の変化に振り回されることなく、自律的に自分の人生を切り開き、その人らしく働いていくために不可欠なものとなっています。
キャリア開発が広がった背景には、年功序列や終身雇用と言った制度の揺らぎや、雇用の流動化による離転職の増加、また少子高齢化に伴う労働人口の減少、人材への多様化への対応などがあげられます。
女性が働くことが当たり前になった現在、女性のキャリア開発が注目されています。
女性のキャリア開発を考える際は、社会的な性差(ジェンダー)や性役割を理解し、女性が直面する特有の5つの問題に配慮することが重要です。

5つの問題とは

  1. 数字の回避(数学的・科学的能力への拒否感)
  2. 成功の回避
  3. 伝統的でない職業に対する自己効力感の低さ
  4. 人間関係の重視
  5. 役割葛藤

です。この中でも「5.役割葛藤」は社会や組織、もしくは周囲の人間が、女性労働者を母・子ども・鉄の女・性的対象という女性的役割にはめ込む現象で、役割の一つ一つによって、女性の職業能力は軽視されます。また役割によって、職場における差別構造や家庭での家事・育児負担の不均衡が助長され、女性にとって大きな重圧となります。
上記の問題を解消し、女性のキャリア開発を促進するためには、女性の特質、性役割のプラス面とマイナス面、自己効力感を向上させる方法、数学的・科学的能力をのばす学習方法など、女性のキャリアにとって有益な情報や知識、スキルを提供することが重要です。

参考文献、HP
■ノーマン・C. ガイスバース『ライフキャリアカウンセリング―カウンセラーのための理論と技術』生産性出版、2002年
大山雅嗣「キャリア開発支援の展開~キャリア・コンサルティング序論~」専修大学商学研究所報第38巻第1号