レポート

みずほ証券株式会社様主催の機関投資家向けセミナーにおいて、弊社代表の荒金雅子が『ダイバーシティ&インクルージョン経営』をテーマに登壇いたしました。
下記セミナーの概要を、関係者向けサマリーより引用し、ご紹介いたします。

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講演名:『ダイバーシティ&インクルージョン経営』
開催日時:2021年3月15日(月)11:30~12:30
参加者数:100名程度
形式:オンライン(ZOOMウェビナー形式)
主催:みずほ証券株式会社様
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「ダイバーシティ&インクルージョン経営」セミナー


ダイバーシティ経営は成功しているのか?
以下は3月15日に、クオリアの荒金雅子代表取締役にご講演いただいた要約である日本政府は、安倍前政権以来女性活躍促進策を打ち出しているが、他国はそれ以上に頑張っており、日本は国際順位をどんどん順位を下げている。世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数において、日本は156カ中121位で、中国(106位)、韓国(108位)よりも低い。働きたい国では33位中32位、男女の賃金格差はG7中最も格差が大大きい。今こそ、多様な人がただそこにいるという組織から(フルーツバスケットに例えられる)から、多様性から相乗効果を生む組織(同ミックスジュース)に変える必要がある。ダイバーシティ経営の分類には、とりあえず不平等な制度をなくす「形式的ダイバーシティ」や、生産性向上よりも企業イメージの向上を目指す「ショーウィンドウ型ダイバーシティ」などがあるが、ダイバーシティをイノベーションの契機として活かす「変革ツール型ダイバーシティ」が重要だ。日本企業のダイバーシティ経営がうまくいかないのは、(1)トップの本気度と当事者意識が薄い、(2)目的、目標、方針、KPIが曖昧、(3)組織の中にフォルトライン(断層)を生み出しているなどの理由があろう。

D&I(Diversity & Inclusion)経営:社会の一員としての責任と役割
ダイバーシティ経営を怠るとどうなるか。化学メーカーが育児休業復帰後の男性社員に転勤命令したことで、SNSで炎上し株価が下落し、新卒採用にも影響が出たように、ダイバーシティ炎上は企業イメージを傷つけるだけでなく、信頼や信用を損い大きな損害を企業に与えることになる。ダイバーシティ炎上が起こる背景には、多様性への想像力・共感力の欠如、プロセス・チェック機能が働いていない、異論を言える雰囲気・場がないことなどが考えられる。ジェンダー(ダイバーシティ) に関する社会問題を理解し、問題解決に向けた提案を製品ブランドと結びつけて発信することが評価される、新しいルールで世界は動き始めている。
D&I経営は「なぜやるか」ではなく、「どうやるか」という時代になってきた。「ジェンダースマート投資」の基準には、女性のリーダーシップ意思決定を促進、女性の資金アクセスの促進、提供するサービスが女性に寄与、職場における平等と保護の担保、女性投資家の支援などがある。女性顧客を持ち、イノベーターとして女性を活用している企業はそうでない企業より144%も高い事業成功率を有するなどの調査結果がある。日本はESGのSへの対応が遅れている。

取締役会の場に多様性を
多様性が低い意思決定機関には自分たちの集団に対する過大評価、外部の集団・リスクに対する過小評価、過度な楽観主義などの問題が起こりやすい一方、多様性が高い意思決定機関では様々な領域の専門家の視点が活かされ、異なる意見を受け入れる柔軟性が生まれ、時代・グローバルテクノロジーの潮流に乗れるメリットが生まれる。アカデミックな調査でも女性役員比率と業績の正の相関などが証明されている。日本政府は管理職に占める女性の比率を30%に引き上げる目標を2020年から2030年に先送りする一方、経団連は2030年に女性役員比率30%を宣言した。女性役員のプールが少ない中で、機関投資家が議決権行使基準に女性役員を入れるのは時期尚早かもしれない。しかし、世界のスピードを考えると後回しにはできない問題である。企業の女性活用が本物かどうかをチェックするためには、単に数字や制度だけではく、役員が自社の女性社員の具体的な活躍について、エピソードを語れるかなどを見れば判断しやすくなろう。

(以上、主催事務局の関係者向けサマリーより引用)

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