ダイバーシティな日々

今年で29回目となるGSW(グローバルサミットオブウィメン)に出席してきました。

「女性と経済」をテーマに、世界中の女性リーダーが集い、最新のデータとトピックについて様々な角度から意見を交換する貴重な場。私は、2007年のベルリン大会から毎年欠かさず参加しており、13回目となります。

今年は、世界70カ国から1065名の参加者が集まりました。参加上位国はタイ、ベトナム、中国、カザフスタン、フランス、アメリカ、韓国、スペイン、モンゴル、コンゴ、カメルーン、日本など。
日本からは神戸女学院の学生11名を含む30名以上が参加しました。

GSW2019のテーマは「Women:Redefining Success」


「女性と経済」がコンセプトのGSWにおいて、女性の真の成功とは何を意味するのか。
「成功」の意味を再定義する大会にもなったようです。

過去10年を振り返ると、ワークライフバランスやメンタリング、セルフブランディング、リーダーシップ開発、インクルージョン、STEAM、デジタルエイジなど、その時々のキーワードが話題となっていますが、トピックとして、Well BeingやSDGsなどのキーワードが飛び交っていたのも今年の特徴。

初日のウェルカムディナーでは、チュニジアから参加した4人組と同じテーブルでした。2017の日本大会には20名以上が参加したそうで、仕事で来日した方もいて、話が弾みました。すぐに仲良くなれるのも、GSWのなせる業です(^-^)


男性社長フォーラムからはじまるGSWの長い1日


GSWの1日は長い。早朝8時からのブレックファーストネットワーキングでは、テーブルホストを介して、多様な国のメンバーと食事をしながら情報交換。そのまま午前のセッションに突入し、切れ目なく3つのパネルディスカッションが続きます。ランチの準備で30分の休憩がありますが、その後はすぐにランチョンミーティングから分科会へ。そして2時間程度の休憩をはさんで、ガラディナーは夜中まで。不慣れな英語漬けのセッション参加は体力と気力が必要です。

2日目で注目したい一つ目はメイルCEOセッション。圧倒的に女性が多く、「Ladys Ladys Ladys& Few Gentleman(笑)」というのが毎回お決まりの文句。そんなGSWもここ数年は、男性の参加も増えています。特に男性CEOのセッションでは、ダイバーシティや女性活躍が経済成長にいかに重要か、自社の事例を交えながら強調されます。

男性CEOが警鐘を鳴らすデジタル分野におけるアンコンシャス・バイアス


今回は、「Imprementing gender diversity in a time of change」をテーマに、マイクロソフト、メットライフ、EY、Baloise、CapgeminiのCEOたちが登壇。女性の力なくしては組織の成長はありえないことを、実例と信念をもって語ってくれました。印象的だったのは、AIやアルゴリズム、データセットなど、デジタル分野におけるジェンダーバイアスについてかなり言及していたこと。あるCEOは、トルコ語の医者を英語に訳すと自動的に「彼」になり、看護師は「彼女」と訳される例を引き合いに、無意識にステレオタイプ的な翻訳がされることへの警鐘を鳴らしていました。



デジタル社会におけるアンコンシャス・バイアスの危険性はすでに、HBRなどでも何度も取り上げられており、先日のG20の首脳宣言の中でも触れられていました。




それにしても、こういう国際会議の場できちんと発言できる日本企業男性社長はまだまだ少ないと感じます。そろそろ日本でも、本気の社長たちが声をしっかり出してほしいものです。

小さなアクティビスト ガラ


2日目のランチョンセッション。ステージに小さな女の子が登場して話し出した時、最初は何が起こったかわかりませんでした。
パンフレットにも名前が載っていないその少女は、Gala Vilarrasa

フランスに住むスペイン系の10歳の女の子。よくよく聞いていると、どうやら彼女は家族とともに、貧困や病気に苦しむ子供たちを支援するための組織「Association Le Trèfle Rouge(レッドクローバー)」を立ち上げ活動しているようでした。


GSWでは10代の少女たちが起業家として、研究者として、そして時には活動家として登壇することがありますが、その中でも最年少の女の子でしょう。

堂々とその活動内容についてスピーチする姿はとても10歳とは思えない迫力がありましたが、最後のスピーチが終わるとほっとしたのか泣き出してしまい、アイリーンに肩を抱かれる一幕も(^-^)。後で調べると、Tedでもスピーチしたことのある有名な少女のようです。


スイスの女性活躍は意外と遅れている?


リーダーシップトラックのセッションでは、ネゴシエーションやアンコンシャス・バイアスなどここ数年毎回登場するトピック。ただ、会場からは「シングルマザーで働いているが周囲の嫌がらせに困っている」とか「女性が働くことに対して古い意識の人が多く、女性の負担が大きい」とか「自分のポジションを上げるための交渉をうまくやるにはどうすればいいの?」など、日本とあまり変わらない質問も飛び交っていました。

ヨーロッパの中でも、とりわけ多様性に富んだイメージのあるスイスですが、意外と女性活躍には保守的な国のようです。
スイスは5つの国と国境を接し、九州よりやや小さい面積に九州の人口の約半分の730万人が住んでいます。永世中立国であり国民皆兵制度のある国でもあります。26の自治州(準州も含む)による連邦制国家であり、州それぞれが独立性の強い自治権を持っています。

女性の参政権が認められたのは1971年。最後まで認められていなかったアッペンツェル・インナーローデン準州では、1990年に連邦裁判所が強制的に導入するよう求めようやく実現したそうです。GSWが開かれた前週には働く女性によるストがあったばかりだとか。


異文化に対して寛容であり多様性を柔軟に受け入れているスイスではありますが、女性活躍に関しては、女性の参政権や賃金格差、女性管理職比率など課題はまだまだありそうです。けれど、前述のストライキはこれまでにも何度も行われているようで、改革の動きは速まっているような気もします。

他国と比較する必要はありませんが、日本女性達もそろそろしっかりとしたアクションを起こすことが大切だと、改めて感じました。

2020年は、GSWタイ・バンコックで会いましょう




GSWの最後は次回国へのハンドオーバー。記念すべき第30回大会は、2020年4月23日~25日、タイ・バンコックに決定です!
一度は参加してみる価値のある大会です。来年はぜひ一緒に行きましょう。